第一回に引き続き「第二回フィールドレコーディングコンテスト」を弊社内で開催しました。今回のテーマは“夏の音”。6〜8月の3ヶ月間を収録期間としました。
普段の仕事ではスタジオに籠り、ベースノイズなどの環境音が必要になれば撮影素材のVTRや既存ライブラリーから目的の音を引き出してくる事が多いのですが、外に出て音を収録することでサウンドデザインの選択肢が大きく増えました。
今回のコンテストでは、以下の3種が優秀作品に選ばれました。
1位「小原ヒグラシの音」
収録機材【Sanken CSS-5+RODE NT4+Roland R-44】
*寸評
『良い音質で録音されており、背景で低く聞こえる自然音とのバランスが素晴らしい。収録を行ったロケーションも良く、マイクの選択も適切』
2位「手動かき氷機」
3位「機械式かき氷機」
収録機材【SONY PCM-M10】
2位、3位に選ばれた作品は、夏の風物詩である「かき氷機」。
昭和を感じさせる手動式のものと、家庭で現在よく使われている機械式のものがあり、既存のライブラリーにはなかなか無い貴重な音源です。
第三回コンテストは、使いやすい街のベースノイズを収録するという事で、「自宅近所の街の音」をテーマに始まっています。
久保田
皆さん、「豆腐屋さんのラッパ」をご存知でしょうか。
昭和40年代頃までは豆腐屋さんがリアカーなどで移動販売する光景が見られました。その時に吹くラッパで、「パ〜〜〜フ〜〜〜」と、なんともユーモラスで愛らしい音色です。私も幼い頃このラッパを聞くと、母親から小銭を渡されボウルを持って表に飛び出したものです。(当時はパックされていないので、ボウルにそのまま入れてもらいます)
現在では移動販売(引き売りというらしい)の光景もめったに見なくなり、生のラッパを聴くこともほとんどなくなりましたが、今でもラッパを吹きながら、引き売りしているお店が長久手町にあるということを教えてもらい、さっそく音録りさせてもらいました。
豆粋(まめいき)冨田商店三代目、豆腐師 冨田英治さん。
ラッパは真鍮製で写真のように横にくわえて吹きます。音程は2音階のみ。吹いて「パ〜〜」、吸って「フ〜〜」。関東ではこの形ですが、関西ではラッパを吹くのではなくて、吹口にゴムまりがついていてそれを握って音を出すそうです。
今ではこのラッパを作る職人さんもいなくなり、冨田さんのラッパが壊れた時は大手楽器メーカーに修理に出し、納得の音が戻るまで5回程やり取りをしたとのこと。
また昔は家々の窓が開いていたので、お客さんがラッパの音に気づいてくれたけど、現在は住宅の密閉化やマンションが増えてなかなか気づいてくれないし、そもそもラッパの音が豆腐の引き売りであることを知らない世代が増えてきたと話します。
まさに時代と共に消え去っていく「音の文化遺産」です。この音の文化遺産を応援するため、冨田さんの引き売りアナウンスを録音、制作しました。
長久手町界隈で近々聞いてもらえると思います。お楽しみに。
冨田商店「豆粋」 http://www.mameiki.com
大川